はじめに
2026年4月、ホンダ(7267)の株価が1,269円まで下落しました。PBR 0.39倍、配当利回り5%超。
数字だけ見れば、バリュー投資家にとって垂涎のスペックですよね。でも僕は、すぐには買いませんでした。
なぜか。バフェットの目線と、天風哲学の目線。二つのレンズで見たとき、この「安さ」の正体が見えてきたからです。
バフェットの目線:数字をチェックしてみます
僕のスクリーニング条件に当てはめてみましょう。
PBR 0.39倍で1倍以下をクリア。配当利回り約5.4%で4%以上もクリア。自己資本比率40.1%でギリギリクリア。3条件はすべて合格です。
しかし、バフェットならここで立ち止まるはずです。**「安い理由は何か?」**と。
答えは明確です。2026年3月期Q3の営業利益が前年同期比48.1%減。EV戦略の見直しを迫られ、米国関税の影響も4,500億円の減益要因として織り込まれています。自己資本比率も前年同期比で下落傾向にあり、有利子負債が増加中です。
バフェットの師グレアムは「安全域」を説きましたが、同時に「安全域があるように見えて、実は崩れていく安全域」にも警告しています。自己資本比率40.1%はギリギリのライン。来期さらに下がるなら、安全域は縮小してしまいます。
天風先生の目線:心をチェックしてみます
数字を見た後、もう一つ大事なレンズがあります。
「お前はなぜホンダを買いたいのか」
PBR 0.39倍、配当5.4%という数字を見て「お得だ」と感じているなら、それは欲に引っ張られている可能性があります。逆に「こんなに下がって怖い」と感じるなら、恐れに支配されています。どちらも心が外の状況に振り回されている状態なんですよね。
天風先生の「積極的に生きる」とは、欲や恐れに動かされることではありません。自分の信念に基づいて、落ち着いた心で判断すること。
掲示板やSNSでは「ここは買い」「まだ下がる」と意見が飛び交っています。天風先生なら「他人の意見で心を揺らすな。お前自身がホンダのビジネスを理解し、確信を持てるかどうかだけが問題だ」と言うでしょう。
結論:5月の決算を待ちます
バフェットと天風先生、両方の視点を合わせた僕の結論はこうです。
本決算の発表を待つ。
来期のガイダンスと配当方針が出れば、ホンダの「素の実力」が見えてくるを考えています。EV戦略の方向性、自己資本比率の推移、来期の業績見通し。これらが出揃ってから、落ち着いた心で判断します。
「安いから買う」ではなく「安くて、業績が底打ちする兆候があれば買う」。決算を確認してから動いても、バリュー投資家にとって遅すぎるということはありません。
焦りは最大の敵です。心が積極的な状態で、確信を持って判断できるときに動く。それが僕の投資哲学です。
この分析から学べること
一つ目は、スクリーニング条件がクリアでも、業績トレンドを無視してはいけないということ。3条件は候補を絞るフィルタであって、投資判断そのものではないんですよね。
二つ目は、自分の心の状態を点検する習慣の重要性です。欲で買いたいのか、恐怖で買えないのか、確信を持って待てているのか。
三つ目は、決算が最大の情報源だということ。ネットの噂や他人の意見ではなく、会社が出す数字で判断する。これに尽きます。
皆さんも気になる銘柄があったら、この「数字×心」の二つのレンズで見てみてくださいね。
※本記事は個人の投資経験に基づく情報提供であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。
