以前、50代のAI活用術という記事で、僕のAIの使い方を「検索の代わり」から始まる4段階で書きました。
その続きの話です。先日、AIに新しい役職をひとつ渡してみました。
このブログの、編集長です。
結果から言うと、朝に「記事の候補を考えて」と話し始めた日のうちに、1本の記事が公開まで行きました。ゴルフ7のオイル消費まとめ記事がそれです。今日はその舞台裏を書きます。
きっかけ:書くのは好き、でもその手前と後ろで止まる
ブログを続けてみて分かったことがあります。書くこと自体は楽しい。でも、手が止まる場所がふたつある。
ひとつは書く前。「さて、何を書こう」——ここで止まります。書きたい気持ちはあるのに、ネタが決まらないまま時間だけが過ぎる日が、正直けっこうありました。もうひとつは書いた後。構成はこれでいいのか、タイトルはどうする、SEOは——このあたりは書くこととは別の技術で、僕はここでも止まります。
つまり「書く」の前後が渋滞していたわけです。だったら、そこだけ任せてみよう。書くのは僕、その前後を整えるのはAI。人間の雑誌編集部と同じ分担です。
編集長がまずやったこと:僕のブログを全部読んだ
「記事の候補を10個考えて」と頼むと、AIはまず候補を出してきました。悪くない。でも「実際にサイトを見て考えて」と言うと、僕のブログの記事を全部確認したうえで、候補を全部作り直してきたのです。
そして言われたのがこれでした。
「新しいネタを増やすより、走っているシリーズを完結させるほうが先です。シリーズが途中で止まっているのは、毎日機会損失が出ている状態です」
耳が痛い。ブロック塀の補修はPart 4で止まり、WordPress開設記は第3回で止まっていました。思いつきで書いてきたつもりが、外から見ると「未完の連載を抱えた雑誌」だったわけです。この視点は、自分ひとりでは絶対に出てきませんでした。
「厳しく言って」と頼んでみた
オイル消費のまとめ記事は、AIが下書きを作りました。正直、そのままでも公開できる出来です。でもふと思いついて、こう頼んでみました。
「編集として厳しく言ったらどうなるかな」
返ってきた評価は「公開できる60点」。理由はこうです。
「この記事には、新しい体験がひとつもありません。過去記事の要約とリンク集です。読者は許してくれても、Googleは許しません」
そして「実体験の場面を3箇所入れてください。それがないと読者は3段落で閉じます」と宿題を出されました。AIが自分の書いた原稿を自分で斬っているのは、ちょっと面白い光景でした。
記事が生き返った瞬間
宿題に答えて、僕は覚えていることをそのまま話しました。
最初の異変はオイル警告灯の一瞬の点灯で、誤作動かと思ったこと。オイル交換のときに車屋さんから「だいぶ減ってますよ」と言われて初めて事態を知ったこと。トランクに積んだお守りの1リットル缶に、結局一度も出番がなかったこと。
この3つが入った瞬間、記事の温度が変わりました。データとリンクの束だった原稿が、僕の記録になった。AIはそれを構成に組み込み、文体を整え、タイトル案を5つ出し、タグとメタ情報の設定まで指示を出してくる。気づいたら、その日のうちに公開ボタンを押していました。
分担がうまくいく条件
やってみて分かった、この分担の要点は3つです。
1. 体験だけは渡せない。 AIは構成もSEOも文章も作れますが、警告灯が点いた瞬間の「誤作動かな?」だけは僕しか持っていません。逆に言えば、それさえ差し出せば、記事は勝手に立ち上がります。
2. 反論すると良くなる。 途中で僕は「この記事に広告は貼りたくない」「この言い回しはきつい」「文体はですます調が自分らしい」と何度か注文をつけました。AIは毎回、理由ごと受け止めて作り直してくる。言いなりにならず、こちらも言いなりにさせない。このやり取り自体が編集会議でした。
3. 義務にしない。 編集長には「ペースを急かさない」と約束してもらいました。書きたいときに書く。ネタは日々の会話の中からAIが「これ、記事になりますよ」と拾って覚えておいてくれるので、「さて、何を書こう」で止まる時間が消えました。あの渋滞の答えは、ネタを探すことではなく、気になったことを話せる相手がいることだったようです。ノルマのない編集部です。
おわりに:代筆屋ではなく、編集部
「AIにブログを書かせるの?」と聞かれたら、答えはノーです。AIに書かせた記事は、僕の声がしないから。
でも「AIと作るの?」なら、答えはイエスになりました。書くのは僕、整えるのは編集長。実はこの記事も、その編集長と一緒に作っています。
50代からのブログ運営、ひとり編集部だと思っていたら、いつの間にか二人になっていました。

