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ゴルフ7(1.2TSI)のオイル消費、ついに止まった話。添加剤を“抜いて”わかった本当の原因

ゴルフ7

はじめに:「オイルが減るクルマ」と暮らすということ

うちのゴルフ7(1.2TSI/EA211エンジン)には、ひとつ持病がある。オイル消費だ。

VWのダウンサイジングターボに乗っている人なら、一度は聞いたことがあると思う。「1.2や1.4のTSIはオイルが減る」。減る個体は、本当に減る。ディーラーに相談すると「規定内です」と言われる量でも、自分でレベルゲージを見ていると、確実にLとFの間が下がっていく。あの、じわじわ削られていく感覚は、乗っている本人にしかわからない不安がある。

しかも厄介なのは、「オイル消費=最終的にエンジンオーバーホール(OH)」という相場観だ。腰下を開けて、ピストンやリングを交換して……となると、見積もりは数十万円。10年落ちの実用車に、それだけ突っ込む価値があるのか。乗り替えか、修理か。多くの人がここで悩む。

僕も悩んだ。でも結論から言うと、オイル消費を止めることができた。しかも今回、ある検証をして「本当に直ったのか、ごまかしているだけなのか」までハッキリさせられた。その全記録を、同じ症状で悩む人のために残しておく。

そもそも、なぜ1.2TSIはオイルを食うのか

原因を理解しておくと、対策の意味がわかる。オイル消費には大きく2つの経路がある。

① オイル上がり(ピストンリング系)

ピストンには「オイルコントロールリング」という、シリンダー壁の余分なオイルを掻き落とす細いリングがある。ここがカーボンで固着すると、油を掻き落とせなくなり、オイルが燃焼室に上がって一緒に燃えてしまう。これが「オイル上がり」だ。

そして1.2/1.4TSI(EA211)は、このオイルコントロールリングのリングパックが細く、短距離・低回転中心の乗り方だとカーボンが溜まって固着しやすい設計上のクセがある。つまり「壊れた」というより「詰まった」に近い。ここが重要なポイント。

② オイル下がり(バルブステムシール系)

もう一つは、バルブの軸(ステム)を密閉するゴムシールが硬化して、上からオイルが燃焼室に落ちてくる「オイル下がり」。こちらは経年劣化型で、清浄では戻りにくい。

僕のゴルフがどちらだったのか——これを見分けることが、修理判断の分かれ道になる。

リキモリ「オイルスモークストップ」を選んだ理由

固着型(オイル上がり)なら、カーボンを溶かしてリングの可動を取り戻す清浄作用に賭ける価値がある。そこで選んだのが、LIQUI MOLY(リキモリ)の「オイルスモークストップ」。

入れ方はシンプルで、オイル交換の前に投入して、しばらく走って清浄させてから新油に替えるのが効率がいい。汚れを溶かして、古いオイルと一緒に排出するイメージだ。減りが軽ければ、交換サイクルの途中に足す使い方でもいい。

結果は、前回の記事に書いたとおり。減りがピタッと止まった。正直、このときは「やった」と思った。

——でも、心のどこかで引っかかっていたことがある。

引っかかっていた疑問:「これ、効いてる“間だけ”じゃないの?」

添加剤というのは、シールを膨潤させたり、オイルを増粘させたりして“フタ”をするタイプも多い。もしそういう「対症療法」だとしたら、オイルを替えて添加剤が抜けたら、また減り始めるはずだ。

つまり「スモークストップを入れたら止まった」だけでは、

  • 本当にリングの固着が解けて直った(根治)のか
  • 添加剤がフタをしているだけ(対症)なのか

——この2つを区別できていない。ここをハッキリさせないと、安心して乗り替えまで引っ張れない。

だから、あえて「入れずに」交換した

そこで今回のオイル交換では、検証のためにスモークストップを入れず、素のオイルだけでスタートした。添加剤が抜けた状態で、消費が戻ってくるかどうかを見る——これが今回の実験だ。

そして、約1,300km走った時点でレベルゲージを確認した。

結果:オイルはほとんど減っていなかった。

さらに、

  • 燃費も良い状態をキープしている(圧縮・燃焼が安定している裏付け)
  • 冷間始動でも、エンブレからの再加速でも、目視で青い煙はゼロ

——添加剤を抜いても止まったまま。これで、答えが出た。

「対症」と「根治」は、添加剤を抜くと見分けがつく

今回いちばん伝えたいのはここだ。

添加剤を入れて止まる → 対症か根治か、わからない
添加剤を“抜いて”も止まる → 根治の証拠

もしシール膨潤や増粘で“フタ”をしていただけ(対症)なら、素オイルでは漏れが戻る。でも実際は止まったまま。これは、固着していたオイルコントロールリングのカーボンが実際に溶けて、リングが自由に動く状態に戻ったことを示している。

掃除して詰まりが取れたものは、洗剤が抜けても詰まらない。排水管のヘドロを溶かして流したら、薬剤が無くなっても水はちゃんと流れる。あれと同じ理屈だ。

もう一人の容疑者「ステムシール」も除外できた

「いや、それステムシール(オイル下がり)からの漏れが、たまたま落ち着いただけじゃないの?」——当然の疑問だと思う。僕も検討した。でも、次の3点でほぼ除外できた。

  1. 添加剤を抜いても止まっている:ステムシールならシール膨潤剤が抜けて漏れが戻るはず
  2. 冷間始動でも青煙が出ない:ステムシールが一番症状を出しやすい場面なのに、ゼロ
  3. そもそもEA211の持病はリング固着であって、ステムシールはこの世代の定番弱点ではない

オイルが燃焼室に入って燃えていれば、量の多少はあれ、冷間・オーバーラン・高負荷のどこかで必ず青煙として出る。どの場面でも煙が出ない=燃焼室へのオイル流入そのものが止まっている、ということ。レベルゲージが減らないことと、煙が出ないことが一致しているので、データとして筋が通っている。

コストの話:OH数十万円 vs 添加剤1本

冷静に費用を並べてみる。

  • 腰下オーバーホール:数十万円。10年落ち実用車には重い
  • 乗り替え:数百万円。今すぐは予定にない
  • 清浄系添加剤:1本3000円程。今回はこれで消費が止まり、乗り替えまでの目処が立った

もちろん、物理的にシリンダーが摩耗してクリアランスが開いているケースでは、固着除去だけでは止まらない。その場合はOHや乗り替えが正解になる。でも、「まず固着型かどうかを切り分ける」ステップを飛ばして、いきなり高額見積もりに行くのはもったいない。うちの個体は、その切り分けで“当たり”を引けた。

再発させない乗り方(いちばん安い保険)

直ったあと、やっている予防はひとつだけ。

たまに3,000〜4,000回転までしっかり回して、油温を上げる。

カーボン固着の元は、短距離・低回転で油温が上がりきらない乗り方だ。だから、ときどきエンジンに“運動”をさせてやる。高速道路でも、長めの登りでもいい。リングの再固着を防ぐ、いちばん安くて確実な保険になる。

クルマも、たまには気持ちよく回してやったほうが調子がいい。淡々と労わるだけでなく、ときどき積極的に走らせる——これは生き方とも、どこか通じる気がしている。

スモークストップは「常備薬」として1本だけ

そして、リキモリのスモークストップは保険として1本だけ手元に置いてある

常用するものではない。「また減り始めたらリセットする」ための“詰まり取り”という位置づけだ。減ったら入れる、止まったら抜く——このサイクルで、このエンジンはコントロールできる、という手応えを今回得られた。買い直す必要もなく、未開封なら数年は問題なく保管できる。乗り替えまで、たぶんこの1本で事足りる。

まとめ

オイル消費=即オーバーホール、と身構えなくていい。

  1. まず故障モードの見極め(カーボン固着か、物理摩耗か)
  2. 清浄系の添加剤で反応を見る
  3. 添加剤を抜いて、再発するかどうかで対症か根治かを判定する

この順番で確かめれば、うちのように修理費ゼロで乗り替えまでの目処が立つこともある。同じ症状で悩んでいる1.2TSI/EA211オーナーに、この記録が届けば嬉しい。

直して、走って、増やす。クルマも、固着を“溶かして”あげれば、まだ走る。

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